備えて構えて

消費税の10%へのアップが近づいてきて、最近少し下火になっていた景気と財政再建の関係の議論が盛り上がってきましたね。

このまま財政赤字が続けば、財政破綻の可能性が日増しに高まっていくことは明らかです。

もちろん現時点において財政破綻リスクがどの程度高いのかについては専門家の間でも議論の分かれるところですが、基礎的財政収支の改善がなければ危機が進行していくことは争いのないところでしょう。

ここで政治の話をするつもりではなく、

経営者としては、これだけリスクが指摘されている以上、当然備えを怠るべきだという話です。

先日ご紹介した、イオングループの事実上の創業者、小嶋千鶴子の評伝の中にこんな話がありました。

戦後まもなく、政府が新円切り替えを行う直前に、小嶋は岡田屋にあった現金をかき集めて、全て商品に変えました。

傍目からみれば大博打にみえたこの買い込みは、実は生涯「もっと勉強せなあかん」と言い続けてきた小嶋の面目躍如ともいえる場面でした。

実は小嶋は、圧倒的な勉強家で、この時点で第一次世界大戦後に敗戦したドイツでどんなどんなことが起こったのかを把握していました。

そこから、必ずハイパーインフレと新円切り替えが行われると見切った上での全現金放出しての商品買い込みでした。

もちろん戦後すぐのようなハイパーインフレが起こると予言するつもりはないですし、その可能性は極めて低いと思いますが、現状の政治状況では基礎的財政収支の恒常的改善は展望がないのが現状です。

財政破綻リスクについて最もわかりやすく解説していると感じたのはこの共著ですが、この中では早くも2030年代には財政破綻リスクが看過できないほど高まるとされています。

ドルを買うのもよし、金を買うのもよし、自分自身に投資するのもよしですが、

オリンピック、万博と、好景気に沸いている今だからこそその先の予測と備えを見据えておくのが経営者の責任だと思います。

もちろん投資は自己責任で。

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