ミニマムモデルで考えよう3〜AIとB Iとベンチャー〜

新元号が令和になって早くも2年半近く経ちました。。
個人的には、亀使って欲しかったんですが、和をこないだぶりに使った意外性での令和も悪くないかなと半日経って思い出しています。
さて、ミニマムモデルで考えようシリーズ、
別に好評でもないのですが、
頭の体操として、第三弾いきたいと思います。
第三弾は、機械化の話。よくある、AIが進化したら僕らの仕事はどうなるのか、の話だと思ってください。
例えば、1000着の500円Tシャツを作るのに、5人のスタッフが3日かかるとします。
(ほんとはそんなにかかりませんよ。)
このとき利益は35万円だとします。
経営者は何とか利益を出そうと、
最新のTシャツ製作マシーンを導入し、
1000着の500円Tシャツを2人で3日で作れるようになりました。
利益が40万円出たとします。
ここまではいいんです。
機械をいれて、コストが下がって利益が上がった。理想的です。
しかし、この戦略は必ず頭打ちします。
なぜなら他社も同じように機械を導入するからです。
そうすると、コストカットでは勝負できず、さりとて今さら高付加価値路線にいくこともできず(人がいなければ高付加価値なものは生み出せません。)
価格を下げることになります。
500円Tシャツを400円で売ることになります。
しかし、この値下げには限界はありません。値下げ合戦になるからです。
400円が300円になり、ついには製品の原価ギリギリまで下がります。
そして、あらゆる分野で機械化が進めば、どんどん失業者が生まれ、
それは、マーケット全体の需要が減り続けることを意味します。
(バリバリ働いて稼いでる人と、失業して収入のない人のどちらが消費するかは明らかでしょう。そして、機械は消費活動をしません。)
値下げ合戦の中で、需要が減れば、
どんどん潰れる企業が出てきます。
大不況ですね。
しかし、大不況も永遠には続きません。
やがて、機械を維持・使用するコストよりも、
人間に給料を払うほうが安い
というぐらいまで賃金水準が下がれば
経営者は機械を動かすよりも人間を雇うことになります。★
倒産しまくった焼け野原を生き残った企業は、失業者率が回復してきて需要が増えてくれば、競争相手が少ない分、業績は上がっていきます。
失業した人たちの中には新しい商売を始める人も出てきて、
いきなり機械化はできないので、そこにまた求人が生まれます。(ミニマムモデルで考えよう
こうして景気はまた回復していくわけです。
(この回復をブーストするために金融緩和したりするわけですが、それはまた今度)
従来の経済についてはこのミニマムモデルで十分理解可能だったのだけれど、
次に来るAI時代の問題は、
上で★印つけたところの話で、
いくら不況が来ても、機械を動かしてビジネスを回すコストよりも、
人を雇ったほうが安い、
という状態が起こらないのではないかという問題が起こるのではないかと思えるのです。(AIがもたらすコスト削減効果が半端ないということです。)
例えば、機械を回せば1日3000円かかるので、
1日2000円で働いてくれるのなら雇います、
といわれても、
労働者は、最低時給や、生活保護費との見合いで、そんな話にはのってこないでしょう。
そうすると、あとは、失業者が新しい仕事を作り出すしか、景気回復の道はないのです。
ベンチャー事業の真の価値はこのあたりにあるといってもいいかもしれませんが、
残念ながら昨今もてはやされるベンチャー事業は、
AIをどう使うか、
どうウェブ上でサービス展開していくか、
という話で、
そのサービスが広がれば大量の雇用が生まれるね!
というものは滅多にありません。
(ちなみに僕が育ててる新規事業フィナーレは、世の中にめちゃめちゃ雇用生み出します。自画自賛笑。)
そうなると、もはやこれは一部の勝ち組から大量に税金をとって、
それをベーシックインカムという形で、
生活保護の代わりに全員に配って
失業しているけれど、収入はあるので消費はする
という市民を作り出せば経済は循環するじゃないか
というベーシックインカム論が出てくるわけです。
ベーシックインカム導入の経済がどこまでうまく回るのか、
というのはまだまだこれから研究されていく分野ですが、
余りにも荒唐無稽な話ではなく、
ミニマムモデルでAI時代の経済循環を考えると十分検討に値する選択肢なのではないか、
という答えに行き着くわけです。
ベンチャー企業論とベーシックインカム論は一直線につながっていることを理解してもらえれば、いろんな思考の材料になるのではないかと思います。
This entry was posted in 未分類. Bookmark the permalink.