ミニマムモデルを考えよう

このブログでは、時事問題についてコメントしたりするよりも、

 

後から読んでも意味のあるようなことを書きたいなと思っています。

 

 

その中の一つとして、

 

色んな問題の根本的な、あるいは原理的なモデルを突き詰める、

 

というのは複雑を極める現代社会においては大事なことだと思っています。

 

例えば、イノベーションと失業の関係について、ミニマムモデルで考えてみましょう。

もし、

無人島に10人の人々が共同生活を送っていたとします。

食料確保が最優先事項で、5人は魚釣りに、

残りの5人は薪を拾ったり、木の実を集めたりしているとします。

 

 

ここに魚釣りのイノベーションが起きます。

魚釣りグループの中の1人が、1人で5人分の魚を取れる網の張り方を考え出したのです。

こうして、魚釣りグループは1人で充分になりました。

残りの4人は失業です。

この4人はみんなの役に立つために、

1人は、家の修理を

1人は、服を作り

1人は、井戸を掘り

1人は、壺を作り

と、さまざまな新しい価値を生み出して、共同体はますます豊かになりました。

というのがイノベーションと失業の関係で、

イノベーションは失業者を生み、それがまた新たな経済発展につながる、

はずなのですが、

世の中はそう上手くはいきません。

今まで魚釣りしていた人が、すぐに井戸を掘るというのはそう簡単なことではありません。

IT人材が足りないからといって、右から左へと人材移動ができるわけではないのです。

日本のバブルの崩壊からの平成大不況は、

石油化学や、自動車産業を筆頭とした重厚長大産業から、サービス・IT産業への転換期に起きたことは示唆的です。

そして今、IT技術の一段の進化と、AI・センサー技術の発達の両者あいまって、

さらなる大産業構造転換が起きようとしています。

この構造転換が、再び大不況を呼び込まないように祈るばかりですが、最近のさまざまな指標を見ているとクラッシュアウトの日が近づいてるような気がして仕方ありません。

次回は、このミニマムモデルを掘り下げてお金の成り立ちと、AI経済のミニマムモデルについて考えてみます。

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