経営の基本の孫子の兵法

地震以来、経営戦略に関することを書いていなかったので、

初心に立ち返って経営戦略に関して、僕が基本の基本に置いている考え方のお話をしたいと思います。

基本中の基本の考え方というのは、多少時代が変わっても変わらない、ある程度の普遍性が必要です。

そして、経営戦略も戦略論である以上、普遍性といえば

孫子の名前が一番にあがるでしょう。

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その中でも、

「凡そ戦いは正を以って合い、奇を以って勝つ」

とは孫子の兵法の核であり、

僕が大切にしている基本中の基本です。

意味は字のごとく、

やるべきことをきちんとやれば負けない

そこからさらに、人が思いつかないことをやれば勝つ

ということ。

例えば、一人で事業を始めて、最初に大事なのは、

まず負けないこと、

つまりやるべきことをきちんとやる、ことです。

コンセプトワーク、業務フローの確立、Webサイトの制作、営業ルートの開拓

やるべきことはたくさんありますが、ここは規定演技の部分で、実はあまり工夫の余地が少ないんです。

(もちろんやる内容はそれぞれの事業内容によって変わってきます。誰にアドバイスを求めてもまともなコンサルならほぼ同じアドバイスをするでしょうという意味です。)

で、規定演技をしっかりやってると売上げは順調に伸びてきて、

ある程度のところで止まります。

一人で処理できる業務量と売上のピークが見えてきます。

ここから方向性が2つあって、

①さらに売上を伸ばすべく、人を雇って業務拡大する

②業務拡大せず、今の処理量の中で客単価をあげていく

のどちらかを選ぶ必要が出てきます。

(もちろん、どちらも選ばずそのまま一人の限界でそれなりに頑張り続けるという道もあります。何が幸せかは人それぞれですが、この道が楽というわけではありません。)

①②のどちらを選んでも、

ここではジャンプが必要です。そこまでの延長線上では上のステージに上がれないからです。

まさに、人のやらないこと

奇を以って勝つ

が要求されるところです。

この段階で、経営コンサルタントや経営アドバイザーに相談される方も多いです。

アイデア出しワークや、アイデアを形にする工程表づくりなど、

ここでどんなサポートを提供できるかはそれぞれのコンサルタントの腕の見せ所でもあります。

僕の場合は、アイデアの作り方についてはまずこの本の中身を叩き込んでもらうことから始めます。

アイデアをつくるというのも1つの技術だということを認識してもらうことから始めます。

 

この

奇を以って勝つ

の段階を乗り越えられれば、

今度はまた、

正を以って合い

のターンです。

業務拡大の中で起こる様々な問題

採用、評価、税務、総務、チームワークフロー、営業ルート取捨選択

それまでは考えなくてよかった問題を一つ一つ、

勉強しながら、先輩の話を聞きながら、試行錯誤を繰り返しながら、新しい態勢を作っていかなければなりません。

社長が奥さんとバイト1人雇って3人でやっていた会社を

スタッフ15人ぐらいになるところまでもっていく、

これは奇を以って勝つことで業務を拡大させ、

その拡大した業務を破綻させないように、

正を以って合わす、必要があるのです。

この使い分けが大事です。

いま自分の会社はどのフェーズか、

負けない態勢をつくるフェーズか、

勝つために、人と違うことをするフェーズか、

しっかり見極めましょう。

いいコンサルタントの見分け方を教えてくれというのは本当によくある質問ですが、

奇をてらったことばかり進める人も

当たり前のことばかりいう人も僕はおススメしません。

「凡そ戦いは正を以って合い、奇を以って勝つ」

この言葉を知らなくても、この内容を理解している人かどうかを見極めの基準にするといいのではないでしょうか。

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