南海トラフ地震はこれまでとは次元が違う災害!?

地震に大雨にと、大規模災害が続いており、

ますます南海トラフ地震について万全の体制をとらなければならない、

という意識が共有されているのを感じます。

ところで、南海トラフ地震については、一度勉強したことのある人とない人の間で非常に大きな認識差がある事柄があります。

それは、

南海トラフ地震というのは、ある地方に、単なる大きな地震が来るという話ではない

ということです。

どういうことか。

南海トラフというのは四国の南側から駿河湾まで東西に非常に長い断層なんです。

例えば、150年ほど前に起きた、安政地震についてみてみましょう。南海トラフを震源とする地震です。

1854年、そう、ペリーの黒船が再来し日米和親条約が結ばれた1854年の

12月23日の午前9時過ぎ

駿河湾沖を震源としてマグニチュード8を超える地震が発生。

東海の太平洋岸一体を津波が遅い、熊野灘では22メートルを超えたとされます。

もちろん当時も江戸から大阪まで甚大な被害が出ましたが、

当時は原発もなければ、人口も少なく、家も田舎では藁葺きでした。

今これが起きれば、日本の大動脈東海道全体にどれだけの被害がでるか、簡単に想像できると思います。

でも肝心なのはここから。

この安政東海地震の、

なんと翌日、

1854年12月24日の16時ごろに、

和歌山県沖とも室戸岬沖ともいっていい、場所を震源として

マグニチュード8を超える大地震、安政南海地震が起こります。

最大津波は土佐湾16メートル。もちろん大阪でも安治川や木津川が逆流。

もちろん瀬戸内海でも津波被害が出ています。

これも、今起きればどれだけの被害がでるか、簡単に想像してもらえると思います。

そして、このときの南海トラフ地震はこれだけでは終わりませんでした。

さらに、2日後の12月26日

愛媛県と大分県の間の豊予海峡を震源として

マグニチュード7を超える豊予地震が起きます。

もちろんこれは南海トラフ断層上ではないですが、無関係ではないでしょう。

もはやこれだけの巨大な地震が3連発で、太平洋岸を襲いかかったことによって、

どの地震によって当時どれだけの被害が出たのかを正確に把握することは、困難ですが、

それでも私たちは、

もし、この3連発地震が、今起こったらどうなるだろうか、

ということを想定することができます。

近く起こるとされる南海トラフ地震が

最近ちょこちょこ起きる大地震の巨大版ということではないということがわかると思います。

これだけの広範囲が被災するとどうなるか

まず、瓦礫の撤去や救出といった通常、自衛隊や近隣自治体からの支援で急ピッチで行われるものが、期待できる地域はごく僅かになるでしょう。

電気、水道、ガスといったライフラインの停止がかなり長期にわたります。

交通手段は寸断され、復旧の目処は立たず、救援物資が届けられるまでかなりの時間を要するでしょう。

長引く避難所生活の中で、感染症のリスクも高まります。

今回のように、大雨被害が重ならないとは限りません。

あなたは、これらの事態への備えはできていますか、

というのが南海トラフ地震への防災を考える、という話なのです。

これは架空の地震をもとにシミュレーションしてるのではなく実際に、過去に起きたパターン、今後も十分起きうるパターンの話です。

最後に、今回色々な文献を調べている中で1つ印象に残ったエピソードがありました。磯田先生の本。

1830年8月19日の京都府亀岡市を震央とした直下型地震は、マグニチュード6.5を超え京都市街に甚大な被害をもたらしました。文政京都地震と呼ばれるものです。

このころは仁孝天皇の御代ですが、天皇はまだ京都御所におられ、御所でも凄まじい揺れが感じられました。

田鶴丸という者が書いた書状には、天皇陛下も建物倒壊の危険からかお庭で夜を明かされたと記載されいるそうです。

注目すべきは地震直後の対応で、

これは伊勢神宮の神宮文庫に残っている秘録に記載されてるそうですが、

逃げる時に三種の神器のうち、草彅剣と八尺瓊勾玉は持ち出せたけど、
八咫鏡は、賢所にあるから持って出れていない。

侍従達が、

揺れがやまないので、賢所から鏡を取り出しましょうか、

と帝に申し上げたところ、

仁孝天皇は、

建物が傾いて危ないので、今少し猶予せよ

と命じられたそうです。

命がけで三種の神器を救出せよ、とはお命じにならなかった。

先日の地震のときも、ギリギリの判断の中でどう動くか、何が正解だったのか、それぞれの中で考えておられることもあると思います。

1つのエピソードとして、頭に留めておいてもらえると参考になると思います。

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