ボトルネックは常に動き続ける

業態によって時期は違うんですが、

サービス業の場合、

起業から順調に売り上げを伸ばしてきた企業が、4年目ぐらいに壁にぶち当たることが多いようで、

その時期の相談というのはかなりあります。

このとき会社は、

社長が、トップ営業マンで、かつ会社内の事務作業リーダーも、組織運営面の総務リーダーも兼ねているという状態ですが、

単純に、物理的な限界が来ます。

売り上げを伸ばそうと思えば、もっと営業やインプットに時間を割かなきゃいけないけど

処理しないといけない業務量が多すぎて時間がどんどんなくなっていく。

そして体調を崩し、

という物理的限界が来るのです。

士業だと3000万円の壁といわれるやつですね。

スタートアップではビジネスモデルの話ばかり注目されがちですが、

実際の起業プロセスでは

この、売上拡大と業務処理能力アップの両輪をどうバランス良く回していくかが肝です。

そして、いわゆるできる営業マンタイプの社長はこの壁をなかなか突破できません。

バックヤードの業務処理力の底上げをどうしたらいいのかわからないのです。
どうしたらいいかわからないけど、処理できない仕事は自分でやるしかないので自分で頑張って何とかしようとする、時間が奪われ、コンサルに相談する時間もない、という人も多かったりします。

無理して時間を作って相談してくれた社長との作業はそんなに難しいことをするわけではありません。

まずは、現状の全体の業務量に対して、

労働力はそもそも足りているのか。

スタートアップの場合、売上が順調に上がっていくのかが不安でなかなか人を雇えず、その結果売上を上げる機会を失っている、という場合がよくあります。

そこで必要ならば躊躇なく人を雇います。

人間は機械と違って、雇ってすぐに即戦力としてその能力を100%発揮できるわけではありません。

桃栗三年柿八年、人を育てるのはとにかく時間がかかります。

起業にとって一番痛い、タイムロスが発生しやすいのがこの人材育成場面なのです。

なので必要とあらばすぐに採用に着手します。

労働力が確保できた場合、次は

業務処理上、どこがボトルネックになって業務処理効率が上がっていないのか、を検証します。

ボトルネックを探すコツは、

精神的肉体的に一番負荷のかかっているスタッフ

の周辺にボトルネックはあります。

ボトルネックの側は負荷がかかるものなのです。

なので、しんどそうにしているスタッフがいたら、その周辺に業務処理効率を妨げてるボトルネックがないか、を点検してください。

大抵の場合、ボトルネックは1つか2つですが、

そのボトルネックを取り除くと

別のところにボトルネックが発生します。

例えば、新入社員のインプット時間確保のために、勉強会を開催することでボトルネックを取り除くと

今度は勉強会開催のための負荷が中堅スタッフにかかりボトルネックになることがあります。

例えばモチベーション維持のための人事評価制度を導入してボトルネックを取り除いたところ、経営者は人事評価に膨大な時間を割かれて新しい仕事をとれはき、ということがあります。

ボトルネックはどんどん移動するのです。

そして、このボトルネックの移動がなくなったとき

すなわち、スタッフ全員が、それなりな余力を持って動き、業務処理が効率よく回っているとき

これは、目標を引き上げるべきときです。

売上拡大のアクセルを思いっきり踏み、業務処理量をさらに引き上げなければ対応できないぐらい仕事を生み出す必要があります。

このバランスをどう取るか、それが経営者の腕の見せどころです。

逆にいえば、

いつもどこかにボトルネックがあって、それが移動し続けている状態というのは

会社が順調に成長している証拠だともいえます。

トップスピードで走る場所はときに両輪が悲鳴をあげながら突き進みます。

スピードを上げすぎて場所がバラバラにならないように、

両輪をバランスよく回して5年目の壁を突破してください。

※製造業の業務効率化については、ザゴールが基本書だけど難しいのでコミック版から読むべし。

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