成長とは葛藤を乗り越えること

経営者にとって最重要の仕事は、

スタッフを成長させることであり、

スタッフがどこまで成長できるかは、経営者の器がどこまで大きくなれるかにかかっている。

という話をこのブログでは何度か書きました。

ではビジネスにおける成長とはもっと突き詰めるとどういうことでしょうか。

一つ一つの仕事のスキルが向上するというのはもちろん重要なことですが、

それは練達であって成長とは少し違うと僕は思っています。

成長とは、練達とはもう一つ上のレベルで、

葛藤を乗り越えること、だと考えます。

たとえば、ほとんど全ての仕事は

正確性と、スピードと、内容の深さ

とのトライアングルが両立しないというジレンマがあります。

早くて、正確な仕事はえてして、内容が浅く

内容が深く、ケアレスミスもない仕事をするためには時間がかかります。

早く、正確で、深い内容の仕事を高いレベルで実現するためには、

常にその全てに気を配る必要があり、

お客様にとって何が1番大事なのか、という視点からの

葛藤をし続けるしかありません。

そう、その葛藤の先にこそ成長があるのです。

経営者は、スタッフを育てるとき、常にスタッフがその葛藤を健全に抱えることができるかを意識しなければいけません。

早くて正確な仕事をする人には、内容の深さを求め

正確で内容の深い仕事をする人には、スピードアップの工夫を考えさせ、

深い内容を素早く仕上げれる人には、もっと正確性をあげるように要請しなければなりません。

葛藤の先にこそ成長はあるからです。

あの子のいいところは正確性だから、そこを伸ばそう、あの子は深い内容の分析ができるから他は大目に見よう、

というのは、優しさではありません。

葛藤にもがき苦しむのを、励まし、見守り、包み込んであげることは本当にしんどいことですが、

それこそが真の優しさであり、真の教育です。

成長につながる葛藤とは、本人だけでなく、周りの人間の葛藤でもあるのです。

そして、いい仕事ができる、というだけでは人間的成長には足りません。

いい仕事と、充実した家庭生活と、心身の健康

という、

さらに両立し難いトライアングルを乗り越えなければ人間的成長はありません。

素晴らしい仕事をして、家族サービスも怠らなかったけど、

身体を壊しました

では話になりません。

素晴らしい仕事をして、趣味のマラソンで心身とも健康ですが

家庭崩壊しています

でも話になりません。

みなに平等に与えられた24時間、365日を、どう使うか。

両立し難いトライアングルをどう両立させていくかの葛藤こそが

成長するということなのです。

逆にいえば現状に何の葛藤もなく満足しているという人こそ要注意です。

色んな試行錯誤は、

直ちに成功することを約束してくれませんが

成長を約束してくれます。

そして、成長の先にはきっと成功があるはずです。

一昨日、うちの会社のスタッフが1人イタリア留学に旅立ちました。

人間の思考が変わるためには、時間の使い方を変えるか、周りの人を変えるしかありません。

留学はその両方が変わる成長のための絶好のチャンスです。

どんな成長をして帰ってきてくれるか今からすごく楽しみです♫

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