目標の設定と管理こそ経営の根幹

いよいよ2月ですね。

このブログも再開してはや2ヶ月ですが、色んな方から激励(?)のお言葉をいただいて、びっくりしています。

経営コンサルティングについてイメージ先行で実際どんなことをしてくれるのか、どんなことを考えている人種なのかわかってもらえると有難いです。

ここまでは結構ビジネスモデルの構築が大事だよという話をしてきました。

一人事業でやっていたところから、組織としてビジネスを進めていくとなるとビジネスモデルの整理が必要だし、新規事業についても闇雲に進めるのではなくビジネスモデルの研究をしっかり詰めながら進めていきましょうというという話で、これからもビジネスモデル構築の具体的なノウハウはここで少しずつ書いていこうと思っています。

ただ、今日は、

ビジネスモデルをつくっただけでは机上の空論で、

それをどう組織の中に落とし込んでいくかが勝負ですよ

という話をしたいと思います。

僕がコンサルティングさせていただく場合、まずはビジネスモデルの構築のお手伝いをするのですが、

本当の勝負はここからで、

このビジネスモデルの実現のために、各部署、各担当者がどのようなKPI(key performance indicator)を定めるかが重要です。

(マーケティングには対外を意識したマーケティングと、対内を意識したマーケティングがあるのですが、ほとんどの企業は、対内を意識したマーケティングが足りません。)

KPIについては、業績指標目標という日本語があてられることが多いようなのですが、これは非常にミスリーディングワードで、

正確には

「業績を伸ばすために、そこへの導きの鍵となる行動の指標」

です。

僕なら、重要行動指標とかにします。どうでもいいですが。

例えば、ビジネスモデルの構築の結果、

これからは顧客対象を個人から中小企業に変更しよう、ということになったとします。

そうすると、営業部のKP Iは、

「1週間で何社の中小企業の社長にプレゼンしたか」

ということになるかもしれません。

ここで新米管理職がやってしまいがちなミスは、

『目標は1人1億の売り上げです。』

とか、

「毎週3件契約獲得です』とかの

結果目標を設定してしまうんです。

でもいいKPIは、導きの石なので、行動目標でなければなりません。

どうすれば、毎週3件契約につながるのか、を深く追求して、行動指標に落とし込むのです。

もちろん行動指標にも色々なレベルがあって、朝きちんと挨拶する、というところから、つくろうと思えば作れてしまう反面、

逆に、スタッフの中で

その行動指標さえ満たしていれば結果が出なくてもいいんでしょ

ということにならないようにしなければなりません。

適切なKP Iの設定能力は少しずつ磨いていくものだと思った方がよいです。いきなり完璧なベンチマークを設定することはできません。

ある意味職人芸的な部分があるので、僕もみさせてもらってる会社ではかなり気を遣いながらアドバイスさせてもらっています。

また、もう一つ誤解されやすいのは、

KPIは、設定して動き出してからの管理こそが勝負なんです。

これをわかってない管理職も多い。

その行動指標が本当に意味のあるものになってるか、その担当者に落とし込めているか、

定期的に見直し、修正をかけていかなければなりません。

誤ったKP Iに振り回され続けることほど大きな損失はありません。

朝令暮改で大いに結構です。KPIの管理、この視点を落とさないようにしてください。

また、KPIの設定と管理には、マネジメントの覚悟が問われます。

僕がセミナーでいつも出す例ですが、

クロネコヤマトをつくった小倉昌男は、

なかなか期日通りの配送が実現されないことに悩んだ結果

定時配送第1、売上第2

という方針を全社に通達しました。

それまでドライバーは何もサボっていて定時配送しないのではなくて、

輸送の効率性の観点から定時配送を見送ることがあったのですが、

小倉昌男は、断固として定時配送するようにKP Iを設定しました。

ここで重要なのは、

売上第2と明言したことです。

経営陣にとってこれは非常に勇気のいることです。

でも信念をもってやらなければいけない。

この判断が今のクロネコヤマトをつくったと僕は思っています。

参考文献2冊あげておきますね。

(幹部向け読書会の御要望などあればいつでもお問い合わせください。)

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント 人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント
Amazon

小倉昌男 経営学 小倉昌男 経営学
Amazon

This entry was posted in ブログ. Bookmark the permalink.