世の中の流れが凄まじく速くなっています。
今までのテンションで、まぁ色々変わっていくだろうけどうちの業界はゆっくりしてるからまだまだ大丈夫だろう、と考えている人は必ず痛い目を見ます。
という話を色々なところでしています。
世の中の流れの速度というのは、
通信速度と物流速度と事務処理速度によって決まります。
大阪から江戸まで、移動に10日かかっていたのが、1日になると世の中の動きのスピードは10倍になりました。
アメリカの人と何かを打ち合わせしようと思ったら、昔は手紙で何度もやりとりするか、船で1ヶ月かけて行き来してたところが、今はFaceTimeですぐできます。
通信速度の向上はかなり限界に近づいてきたかなと思います。
でも物流速度と事務処理速度は、まだまだ上がる余地があります。
コンピュータの演算能力はまだまだ上がってるからです。そしてその進化速度は僕たちの想像を絶するものです。
例えば、アメリカ政府が米露の核実験一時停止合意を受けて、実験なしで既存の戦力を維持するために、ASCI (加速的戦略的コンピュータシステム)なるプログラムを立ち上げ、そこで設計開発されたスーパーコンピュータ、
ASCI レッドは、2000年の終わり頃まで、世界で最も強力なスーパーコンピュータでした。
テニスコートほどの大きさで一般家庭800世帯分の電力を消費するまさに化け物コンピュータでした。
その処理能力はなんと脅威の1.8テラフロップス。
※フロップスは演算処理速度の単位で情報量の単位のバイトとは異なる単位です。
ところが、コンピュータ技術の進化スピードは化け物なんてものではありません。
わずか5年後。
ソニーエンターテイメントが、2005年に発売したプレイステーション3の演算能力は、このA S C Iレッドと同程度の水準に達していました。
そして、そのサイズは、テレビ棚の下にすっきり収まるサイズでした。
わずか5年で、世界最強のスーパーコンピュータは、小学生がクリスマスプレゼントで買ってもらえるものになったのです。
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進化のスピードが僕らの常識を破壊的に上回っているのです。
という話をしても、
うちの業界はまだまだアナログだから、関係ないよという反応が返ってくるのが残念ながら今の日本の地域ローカル経済の現実だということもよくわかっています。
そこで、こんな事例はどうでしょう。
乳牛の話です。
酪農家が、乳牛を繁殖させようと思ったら、乳牛に人工授精を行うわけですが、
人工授精は、発情期に行わなければならず、この発情期は約3週間ごとに主に夜間の12〜18時間しかありません。
酪農家は、少人数で何十頭もの乳牛を世話しており、一頭ごとの状態をきめ細かく把握して授精時期を見極めるのは非常に困難で、かつては直感と、熟練の職人芸に頼っていました。
ところが、富士通が開発した牛歩saasという機械学習ソフトウェアシステムは、この乳牛の繁殖時期の把握という極めて牧歌的な課題を鮮やかに解決しました。
http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/agri/gyuho/
このシステムは、
無線接続された歩数計を乳牛に取り付け、その1時間あたりの歩数の変動を把握することで、によって発情期の感知だけでなく8種類の病気の早期発見を可能にしました。
さらに、このシステムを利用して収集したデータを解析したところ、
人工授精に最適な16時間のうち、最初の4時間に人工授精をすれば牝牛が生まれる確率が70%もあることが発見されました。
このシステムによって、酪農家の生産性がどれほど向上したかは説明するまでもないと思います。
繁殖最適時期は職人芸いらずで把握でき、病気は早期発見、産み分けも可能となり、酪農家の収入は増え、負担は圧倒的に減りました。
酪農というおそらく最古の仕事の一つである分野にまで、テクノロジーの進化の波が来ているのです。
あなたの業界だけが、10年後も変わらないままだと言い切れるでしょうか。
先日、めちゃくちゃ久しぶりにフットサルをやりました。
僕は走るのも遅いし、下手。
上手い人は、ボールを追わない。
ボールの行く先を予測して、そこに向かって走る。
上手くいく経営もそれと全く同じなんだと思います。
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