さて、長い正月休みも終わって、昨日から仕事初めという方も多いのではないでしょうか。
僕も今年はかなりゆっくりさせていただいて、たくさん読書をする時間をいただきました。
コンサルタントにとって読書には以下のような3つの役割があると思っています。
①情報収集のための読書
②思考力アップのための読書
③感性を磨くのための読書
この3つの読書について、きちんと区別して読書しているかで、読書の効果というのは全く変わってきます。
たとえば、ドストエフスキーの『罪と罰』について、③の感性を磨く目的で読むなら
罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫) 罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫)
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を頑張って読もう、ということになるでしょうが(亀山先生の訳は非常にわかりやすいとはいえやはり文章は難解です。〕
①の情報収集の目的で、とりあえず罪と罰のストーリーぐらい頭にいれておかなくっちゃ、ということなら
ドストエフスキー『罪と罰』 2013年12月 (100分 de 名著) ドストエフスキー『罪と罰』 2013年12月 (100分 de 名著)
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罪と罰 (まんがで読破) 罪と罰 (まんがで読破)
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これらの本でさくっと頭に入れるのもアリでしょう。
①②③はどれが正しい読書かという話ではなくて、その時々で必要な読書をしっかり目的意識をもってやるのが大切です。
で、その中でも疎かにされがちなのが
②思考力を磨くための読書です。
よく、マーケティングの本でオススメの本は何ですか、
と聞かれますが、お答えするのが難しいです。
なぜかというと、マーケッターとしての能力というのは、
マーケティング理論についての知識をどれだけもっているか、ではなく、
マーケッターとしての思考力がどれぐらいあるかにかかっているからです。
なので、30分でわかるコトラーとかを
何冊も読んでも(導入のためにさらっと読むのはいいと思いますが、〕
マーケッターとしての思考力が身に付かないので、結局遠回りだと考えています。
コトラーならコトラーの書いた大学の教科書レベルの本をじっくり読んで、その中の理論だけでなく事例分析をシミュレートしていく中で思考力が鍛えられるのです。
(ちなみに法律の勉強も全く同じで、「30分でわかる民法」みたいな本を何度読んでも残念ながら法律家としての思考力は身につきません。表面的な知識だけあって思考力がないコンサルタントほど危険なものはありません。〕
そういうわけで、僕たちの課題はいかに
②思考力を鍛える読書を積み重ね続けるか、というところにあるわけです。
これはそれなりにエネルギーを使う作業なので、意識しないとどんどん遠ざかっていってしまいます。
そして、もう一歩先の話をすると、
プロのコンサルタントとして、同業他社と差別化し、クライアントに満足してもらうためには、
思考の中でいかにオリジナリティを保つかも意識しなければいけません。
自分だからこそ出せるアドバイスをできなければ、クライアントは、友達に話を聞いてもらうのと変わらなくなってしまいます。
では、思考のオリジナリティはどう作るのか、
もちろん、色んな人の話を聞くこと、色んな体験をすること、色んな勝負をすることの中で培われていくわけですが、
そんなみんながみんな壮絶な体験を繰り返せるわけではないので、
結局、思考のオリジナリティの基礎体力は、
どれだけ幅広い分野の本を深く読んだか
が占める要素が非常に大きい。
〔もちろん、本だけ読んでも実際に経営してみないとわからないことも山ほどありますが。。。僕のようなスタッフ10人程度の会社でも経営してみて日々たくさんの気づきがあります。〕
たとえば、僕はまとまって読書の時間をとれるときは、現代思想の本を読むことが多いです。
この正月休みは、昨年出た東浩紀の『観光客の哲学』を読みました。
〔感想はまた今度。きっと勧めても興味ない人は読まないだろうけど、非常に明快なロジックで書かれた示唆的な、間違いなく現代思想史にに残る一冊でした}
ゲンロン0 観光客の哲学 ゲンロン0 観光客の哲学
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司馬遼太郎を読むのが趣味だという経営者が多いことを佐高さんなんかはよく批判してるけど、
やっぱり、なんだかんだいっても司馬遼太郎の作品には、日本の歴史、日本の風土、何より日本人についての深い考察が詰まってると思います。
もちろん一面的な見方の部分もあるけど、
そこは逆に変なバランスをとらないことによって深く潜れるという見方もできる。
空海の風景〈上〉 (中公文庫) 空海の風景〈上〉 (中公文庫)
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戦国時代ものもいいけど、ほぼ想像で描いてるんちゃうかというこの空海の風景は、あまり読まれてないけど、逆に司馬遼太郎が考えてることがはっきりでていてオススメです。
〔もちろん坂の上の雲とか読んでから読んでね。}
まぁ要するに、
色んな本読んだらいいけど目的意識しっかりもって、人間の幅を広げようぜ!
という話でした。乱文すみません。