先日就活生と話していて、コンサルタントってどんな仕事をするんですか、という質問を受けました。
逆にコンサルタントってどんな仕事してるイメージなの?
と聞くと、その就活生は
『カッコイイ分析資料とか作って、業務改善案を出したりするイメージです』
と素晴らしい解答でした。
ただ、2点だけ気をつけないといけないことがあります。
一つ目はカッコいい分析資料づくりについて。
ビジネスモデルの分析手法としては、本当に無数の解析ツールがあります。
典型例はSWOT分析でしょう。
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ただ、コンサルタントの腕は、この分析ツールを用いた分析資料づくりの力と相関関係はありません。(もちろんかっこいい資料は作れた方がいい)
じゃあ、コンサルタントの腕はどこで決まるのか。
それは
どの分析ツールを使うか
という分析の大前提の部分でなのです。
SWOT分析は、企業を内部環境と外部環境という切り口から分析する素晴らしいツールですが、
時間軸の要素がありません。
ビジネスモデルキャンパスは、ビジネスモデルの視覚化という意味では画期的ですが、売上と経費について分析を加える際には無意味です。
つまり、どういう文脈で、何をあぶり出すために、その分析ツールを利用するのか、という
分析ツール利用前の分析こそがコンサルタントの腕なのです。
つまり、分析ツールというのは実は分析してるわけではなく、その前に得られた結論をわかりやすく説明する説明ツールに過ぎないわけです。
そうすると、カッコいい分析資料づくりというのは、コンサルタントの本質的な仕事ではないでしょう。
もしコンサルタントにビジネスモデル分析をお願いする際には、
カッコいい分析ツールが出てきたら、なぜその分析ツールを使ったのか、というところを質問してあげてください。
その回答の中身こそが重要な示唆に富んでいることがよくあります。
そして、もう一つ
コンサルタントの仕事は確かに改善提案を出すことなのですが、
提案して終わり
というのではコンサルタントとして二流です。
どんなに素晴らしい改善提案も
それが実行されなければ意味をもちません。
経営者が採用を拒むのであれば、それはどこに障害があるからなのか、
どうすればそれは取り除けるのか、
経営者はやる気なのに社内で話が進まないのならばそれはなぜなのか、
体制が悪いのか、システムが悪いのか、もっと別の要因があるのか。
実はこの、改善提案を実行に移せない原因にこそ、
この会社の真の低迷要因が潜んでいることはよくあります。
次はその部分を改善する提案をしないといけません。
自転車に乗れない人に、自転車に乗ると便利ですよと提案しても意味ないのと同じで、
どうやったら自転車に乗れるようになるのかも提案しなければなりません。
そして必要なら自転車に乗れるようになるところまで、伴走することも大事です。
経営者は孤独です。
コンサルタントは経営者の代わりに経営をしてあげることはできませんが、
経営者と伴走することはできます。
24時間テレビのマラソンの、いつも隣走ってるトレーナーみたいなイメージですね。
そんな話をすると、就活生からは、
なんかコンサルタントも大変そうですね
という有り難いお言葉。
お金稼ぐっていうのは、どこまでいっても大変なことなんだよ
と身も蓋もない人生相談になってしまったのでした♫
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