戦う前に負けるな。

解決すべき課題を見つけよう、という話を、前のエントリーでしました。

今日は、見つかった複数の課題から、

どの課題に取り組むべきか。

という話をします。

実はこの解決すべき課題の選択は非常に重要なのですが、実際はかなり軽視される傾向にあります。そしてそのために失敗する新規事業は結構あります。

おそらく、日本の新規事業の現場では、解決課題は何かを見極めてそこにソリューションを提供するというよりも、

この技術、このアイデアを利用して、何か新しい商品を作れないか、

という発想で事業構築することが多いからではないかと思います。

しかし、これは絶対に覚えておいてほしいのですが、

質の高い課題(根の深い課題、痛みの大きい課題、答えを出す必要性の高い課題)を少しでも解決する方が、

質の低い課題(くだらない課題、ほとんどの人が気にならない課題)を完璧に解決するよりも、

事業として成功する可能性が高いということです。

例えば、

エレベーターの中ではオナラをしてしまうと同乗者に迷惑なので、オナラが出ないようにしたい

という課題と

外出中に排便を催したときに、近くにトイレがないと不安なので、外出出来ない

という課題を比べたときに、

課題の質が高いのは後者です。

排便不安の問題を少しでも解決することは、オナラ問題を完全に解決するよりも事業として成功する可能性が高いといえるでしょう。

※汚い事例ですみません、あとで理由わかります。

あなたの取り組もうとしている課題は、質の高い課題か、答えを明確に出す必要性の高い課題か、常に自問してください。

このことは、結局のところ、あなたがどれだけ顧客目線であり続けられるかということが問われています。どんなに質の高い解も、顧客にとって無意味な問いに対する解では無価値なのですから。

※課題の質を高めることにとことん向き合うための本。かなり高度な内容ですが、非常にわかりやすく整理されて書かれているため、売れ続けています。

そして、もう一つ、

あなたが取り組もうとしている課題は、

あなたが取り組むべき課題か、

という視点も非常に重要です。

その課題を解決するための強烈なソリューションを既に持っているということなら別ですが

ただ、質の高い課題を見つけたというだけであれば、あなたが取り組むべき理由にはなりません。事業構築に伴う様々な困難を乗り越えるモチベーションを維持できない可能性が高いからです。

その課題解決に向けて、あなたの情熱を維持させるだけのストーリーがほしい。

例えば、

D Free

という排尿・排便のタイミングを予知するデバイス(https://dfree.biz/)を開発している、

トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社を率いる中西CEOは、カリフォルニア大学に留学中、引っ越し作業をしているときに、大便を漏らしてしまったそうです。

このことを原体験として、排泄予知デバイスを開発したというのは、

解決すべき課題設定にとって非常に強烈なストーリーになります。

あなたが、あるいはあなたの会社が、なぜその課題に取り組むのか、その覚悟はいかほどのものか、

どんなときでもしっかりと説明できるようにしておいてください。

採用面接で、学生に、

なぜこの会社を選んだのですか、

と偉そうに聞くくせに、

なぜこの事業をしてるのですか、

と学生に問われたときに(問わないでしょうが笑)

何となく、と答えるようでは話になりませんので。

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