まことコンサルティング

値決めしょういち

やっと本格的に冬らしくなってきましたね。

このブログも再開し出してからはや1年が経ち、何とか継続できている自分を褒めてあげたいと思います。

ブログ読んでるよ、という声かけを色んな人にしていただいて、すごく勇気づけられました。

よくスポーツ選手が、声援が力になりました、とコメントしますが、比べるべくもないですが、少しだけ意味がわかった気がします。

さて、政府の有識者会議が、AIの活用に関する原則をまとめようとしているそうです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181208-00000011-mai-bus_all

今年は僕自身もAIについてたくさん勉強した年でした。

理解できたことは、

センサー技術の進化、通信速度の進化が支えるAIの進化は、

今後10年で、僕たちの常識のかなりの部分を粉々に打ち砕いてくれるだろう、ということです。

例えば、

我々商売人が、もっとも習得するのに苦労する暗黙知の1つに、

値決め

というものがあります。

サービスの価格は、需要と供給で決まるとか、労働価値で決まるとか、色んな学説があるわかですが、

どれも一面の真実で、

実は、製品やサービスの価格をいくらとするのが正解かというのは1つの方程式によって理論的に決まるわけではありません。

商売人はみな、試行錯誤を繰り返して、値決めの技術を磨いていきます。

仕事が欲しくて安くして後悔することもあれば、

やりすぎたプライシングでチャンスを失うこともあります。

少し脱線しますが、

僕はうちのスタッフが打ち合わせに同席してくれたときには、必ずこの値決めについて、

後でどう思ったかを聞きます。

これは自分の値決めについて感想を得てより値決めの技術を磨くという目的もありますが、それよりもむしろ、

感想を言葉にする中で暗黙知を磨いてほしいという思いがあります。

暗黙知の伝承というのはこれからの日本の中小企業の大きな課題ですが、

暗黙知だからといって、言葉にならないものである以上、言葉で説明しようとしない、というのは誤った態度です。

暗黙知だからこそ、それを炙り出すために言葉を尽くさなくてはいけません。

「我々は、言葉にて語り得るものを語り尽くしたとき、言葉にて語り得ぬものを知ることがあるだろう」

というのはヴィトゲンシュタインですが、重い言葉です。

もちろんカバン持ちの重要性は些かも失われてはいないのですが、さりとて背中をみて理解しろ、というのは上段者のエゴで、コミニケーションの中で、暗黙知にいかに迫るかというのが大事だろうなと思っています。

「暗黙知」の経営―なぜマネジメントが壁を超えられないのか?
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組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)
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と、暗黙知の承継というテーマについて少し触れたのは、完全な脱線ではなくて、

この暗黙知の最たるものである

値決め、について

最近ではダイナミックプライシングによる地殻変動が起こっています。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO38305910Y8A121C1000000

日経新聞にも何度も取り上げられてるので、この言葉自体はかなり広がってきているのかなと思いますが、

ダイナミックプライシングというのは、要するに、

AIが膨大なデータを分析して、そのときどきの状況に合わせて最適な価格を割り出し日々刻々と値段を変化させることで利益の最大化を図るというシステムプライシングです。

今はコンサートや飛行機のチケットや、ホテルの宿泊料金などに利用され出したところですが、

これからあらゆる分野に広がっていくでしょう。

デジタルカルテルの問題も指摘されていますが、基本的には経済効率化のためには有意な技術で、

コンビニに行って、ポテトチップスの商品価格が昨日と違うという日も遠くないと思います。

マーケティングという暗黙知の部分が多い分野の中の、

最強のマーケティングツールと言われ、最大の暗黙知分野と言われる値決めの分野において

AIが支配権を握る。

これは実は、人類が商売というものを始めて以来の地殻変動だと思います。

とはいえ、まだまだAIに取って代わられそうにない暗黙知分野もたくさんあるので、次回はそんな話をしたいと思います。

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