このブログでは中小企業、特にベンチャー企業経営者に向けて
経営戦略に関する視点を提供しています。
ではそもそもベンチャーとは何でしょうか?
僕は、ベンチャーとは、マーケットを開拓する人のことだと思っています。
少し説明します。
マーケティング戦略を考えるにあたって、マーケットサイズというのは非常に重要な概念です。
ビジネスモデルの構築ミーティングを行っていると、
色んな面白いアイデアが出てきます。
でも、そのほとんどがボツになる理由は、
マーケットサイズが小さいからです。要するに、
「それを欲しがる人はいるかもしれないが、ビジネスとして成り立つほど多くはない、」という状態ですね。
たとえば、大阪で、トリクメニスタン料理専門店をやるとすると、厳しいでしょう。
マーケットサイズが小さいからです。
たとえば鈴虫のエサ専門店をやると厳しいでしょう。マーケットサイズが小さいから。
(この意味では田舎よりも都会の方がビジネスが成功しやすいことも理解できる。
都会は、マーケットの絶対サイズが大きいので、田舎では成立しないようなニッチな
ビジネスでも食べていけるのだ。メイドカフェを倉敷で開いて儲かるかというと
よっぽどうまくやらないと厳しいだろうが、秋葉原では儲かるのである。)
(とはいえ、Webの発展によって成立可能のマーケットサイズの幅はどんどん広くなっている。昔ならレアフィギア屋さんは都会でしか成り立ち得なかったが、今では田舎に
住んでいてもヤフオクやebayを使って全世界を相手にできるのである。)
そういうことならマーケットサイズの大きいビジネスをやればいいかといわれれば
それも違うのです。
なぜならマーケットサイズの大きなビジネスには既に参入している人が大きく、
競争が激しいから。
じゃあどうすればいいのか。
今は小さいマーケットサイズを広げればいいのです。
そしてこれをするかどうかが、中小企業とベンチャーとの違いであり、
大企業でもベンチャー企業足り得る所以です。
具体例をみてみましょう。
今日紹介するのは、
最年少一部上場を達成して話題を読んだリブセンスの村上社長についての本。
リブセンスは、バイト求人において、お祝い金制度という手法を用いて、
成功課金型求人広告というマーケットを作り出しました。
要するに、これまでは、広告を出すだけで金をとられていたのが、ちゃんとバイトが採用できたらお金払ってねっていうシステムへと転換させることに成功し、新たなマーケットを拓いたのです。
これまで、バイトは雇いたいけど、求人広告出して無駄に終わったらもったいないと
考えていた層をマーケットにすることに成功したのです。
まさにベンチャー企業。
新しいマーケットを広げるのは一朝一夕にはいきません。
でも、一度当たれば、業界の先頭に立てます。
僕がコンサルさせてもらう企業様には、価格競争から抜け出すために、
品質や密着感といった強みを伸ばすことと同時に、新しいマーケットを作ることにも
力を注ぐようにアドバイスさせていただき、一緒にアイデアを考えています。
この瞬間が一番楽しい時間です。
みなさんも是非、
「新しいマーケットを作ることはできないか」、いつも考えていてください。